MiniMax H3は、テキスト・画像・動画・音声をまとめて扱い、最大2Kの映像とステレオ音声を同時生成できる動画生成AIです。
文章だけから動画を作るだけでなく、参考画像や動画、音声を渡して、人物の見た目や動き、カメラワーク、声、映像の雰囲気まで反映できるのが大きな特徴です。
一方で、「無料で使えるのか」「日本語に対応しているのか」「APIはいくらなのか」「公開ウェイトなら完全にローカルで利用できるのか」など、初めて調べると少し分かりにくい部分もあります。
そこでこの記事では、MiniMax H3の特徴や料金、使い方について、動画生成AIを初めて知る方でも理解できるように順番に解説します。
この記事でわかること
- MiniMax H3とはどんな動画生成AIなのか
- MiniMax H3でできること
- 2Kや15秒などの動画生成スペック
- 日本語や日本語音声に対応しているのか
- MiniMax H3の料金と無料利用の考え方
- Hailuo AI、API、ローカル環境での使い方
- 公開ウェイトを利用するときの注意点
MiniMax H3とは?映像と音声を同時生成できる動画生成AI

MiniMax H3は、映像と音声をまとめて生成できるMiniMaxの動画生成AIです。文章から動画を作るだけでなく、画像・動画・音声を参考資料として読み込ませながら、新しい映像を生成できるのが大きな特徴です。
まずは難しい仕組みより、「MiniMax H3では何ができるのか」という基本から見ていきましょう。
最大2K・15秒・24fpsに対応し、日本語音声も生成できる
MiniMax H3は、公式APIでは768Pまたは2Kの動画を4〜15秒、24fpsで生成できます。
24fpsとは、1秒間に24枚の画像を切り替えて動画として見せる方式です。映画などでも使われる一般的なフレームレートなので、初心者の方は「動画の動きを表す数字」くらいに考えておけば問題ありません。
たとえば「夕暮れの海辺を人物がゆっくり歩いている映画風の映像」と文章で指示して、短い動画を作ることができます。
MiniMax H3でもう一つ注目したいのが、映像だけでなく音声も一緒に生成できることです。動画生成AIによっては、最初に映像を作り、その後で別のAIや編集ソフトを使って音声や効果音を追加することがあります。
MiniMax H3では、次のような音声生成に対応しています。
- 映像と音声を同じ生成処理の中で扱える
- 生成される音声は32kHzのステレオ音声に対応
- ステレオ音声によって左右の音の広がりを表現できる
- 日本語はMiniMaxが安定対応する会話言語の一つとして公式に挙げている
- 日本語のセリフを含む動画生成にも利用できる
ただし、日本語が英語や中国語とまったく同じ品質で生成できることを示した言語別の公式比較データは確認されていません。「日本語に対応していること」と「すべての言語で同じ品質になること」は別なので、この点は分けて考えておきましょう。
MiniMax H3の主な仕様をまとめると、次のとおりです。
- 解像度:768P・2K
- 動画時間:公式APIでは4〜15秒
- フレームレート:24fps
- 音声:32kHzステレオ音声を生成可能
- 日本語:安定対応する会話言語の一つとして公式に記載
初心者の方は、MiniMax H3を「映像を作るAIと音を作るAIが一つになったような動画生成AI」とイメージすると理解しやすいでしょう。
テキスト・画像・動画・音声を1つの文脈として扱えるのが大きな特徴
MiniMax H3の大きな特徴は、テキスト・画像・動画・音声をまとめて扱えることです。このように複数の種類の情報を一緒に扱う仕組みは「オムニモーダル」と呼ばれます。
少し難しそうな言葉ですが、「文章だけでなく、画像も動画も音もまとめて参考にできるAI」と考えれば十分です。
たとえば、料理の紹介動画を作る場面を想像してみましょう。文章で「落ち着いたカフェ風の料理動画」と指示するだけでなく、実際の料理写真、参考にしたいカメラの動きが入った動画、雰囲気を合わせたい音声などを一緒に渡せます。
MiniMax H3は、それらを別々の情報としてではなく、一つの動画制作に必要な参考資料として扱えます。
つまり「この商品を使って」「この動画のようにカメラを動かして」「この雰囲気の音にして」といった複数の希望を伝えられるわけです。
従来の「文章を入れて動画を作る」という使い方から、さらに一歩進んだ動画制作ができるのがMiniMax H3の特徴です。
MiniMax H3で何ができる?動画生成と参照機能を整理

MiniMax H3では、文章だけから動画を作る基本的な使い方に加えて、画像や動画、音声を参考にした生成もできます。
特に注目したいのは、「ゼロからAIに動画を作ってもらう」だけではなく、「自分が持っている素材を参考にして動画を作れる」ことです。
具体的にどのようなことができるのか見ていきましょう。
文章や画像から動画を作り、開始・終了フレームも指定できる
MiniMax H3では、文章だけを入力して動画を生成するText-to-Videoに対応しています。Text-to-Videoとは、その名前のとおり「文章から動画を作る」機能です。
たとえば「雨上がりの東京の路地を、カメラがゆっくり前へ進んでいく」と入力し、その内容をもとに映像を生成できます。
画像をもとに動画を作ることもできます。たとえば商品写真を1枚用意し、「商品を中心にカメラがゆっくり回り込む」と指示すれば、静止画を起点にした商品紹介動画などを作れます。
さらにMiniMax H3では、動画の最初と最後のフレームを指定することもできます。フレームとは、動画を構成している1枚1枚の画像のことです。
最初の状態と最後の状態を画像として渡せるため、「この場面からスタートして、この場面で終わってほしい」とAIへ伝えやすくなります。
たとえば最初に閉じた箱の画像を指定し、最後に商品が箱から出ている画像を指定して、その途中の動きを動画として生成するといった使い方が考えられます。
ただし、最初と最後の画像を指定しても、途中の動きが必ず想像どおりになるとは限りません。複雑な動きを求める場合は、指示文を調整したり、何度か生成し直したりする必要があります。
初心者の場合は、まず文章だけで生成し、その後で画像を追加して調整していくと分かりやすいでしょう。
画像・動画・音声を参照して人物・動き・声・カメラワークまで反映できる
MiniMax H3には、画像・動画・音声を参考資料として利用するReference Generationがあります。Referenceは日本語で「参照」という意味です。
簡単にいえば、「この素材を参考にして新しい動画を作ってください」とAIへ伝える機能です。
利用できる参照素材は、画像が最大9枚、動画が最大3本、音声が最大3本です。画像・動画・音声を混ぜる場合は、合計最大12ファイルまで利用できます。
参考にできるのは、人物や商品の見た目だけではありません。人物の動き、カメラワーク、声、映像全体の雰囲気、編集テンポなども動画生成の参考にできます。
カメラワークとは、撮影するときにカメラをどのように動かすかという映像の見せ方です。たとえば「この参考動画のように、人物のまわりをカメラが回り込むように撮影して」といった指定ができます。
既存動画の動きを別の対象へ反映するV2V Motion Transferも主要な用途として案内されています。V2VはVideo-to-Videoの略で、「参考動画の動きを、新しく作る動画へ活用する機能」と考えると分かりやすいでしょう。
参照素材には、次のような制限があります。
- 画像:最大9枚、1ファイル30MB以下
- 動画:最大3本、1ファイル50MB以下
- 音声:最大3本、1ファイル15MB以下
- 混合入力:合計最大12ファイル
- 参照動画:1素材2〜15秒、合計15秒まで
- 参照音声:1素材2〜15秒、合計15秒まで
- プロンプト:最大7,000文字
初心者の方が、いきなり12ファイルすべてを使う必要はありません。最初は「文章+参考画像1枚」のようなシンプルな組み合わせから始めるのがおすすめです。
思ったような動画にならない場合に、参考動画や音声を少しずつ追加すると、何が映像に影響しているのかも分かりやすくなります。
参照素材は多ければ多いほど高品質になるわけではありません。「この画像から人物の見た目を参考にする」「この動画からカメラの動きを参考にする」というように、素材ごとの役割をはっきりさせることが大切です。
MiniMax H3の料金と使い方は?無料・API・ローカル利用まで解説

MiniMax H3を使う方法は、大きく分けるとHailuo AIのWebアプリ、公式API、公開ウェイトを利用したローカル実行の3つです。
初心者ならWebアプリ、サービスへ組み込みたいならAPI、自分で環境を用意して動かしたいなら公開ウェイトという選び方が分かりやすいでしょう。
料金についても、「1秒いくら」だけでなく実際の動画1本あたりの金額まで見ていきます。
Hailuo AI・公式API・公開ウェイトの3つの使い方がある
MiniMax H3を利用する主な方法は、次の3つです。
- Hailuo AIのWebアプリを利用する
- 公式APIを利用する
- 公開ウェイトを自分の環境で動かす
MiniMax H3を手軽に使いたい人は、MiniMaxの動画生成サービスであるHailuo AIのWebアプリを利用できます。Webアプリは、プログラミングをせず、画面上から文章や素材を入力して動画を生成する方法です。
そのため、動画生成AIを初めて試す人にも向いています。
一方、自分のアプリやWebサービスにMiniMax H3の動画生成機能を組み込みたい場合は、公式APIを利用します。
APIとは、外部のアプリやサービスからMiniMax H3へ自動的に動画生成を依頼するための仕組みです。たとえば、ECサイトへ登録した商品画像から自動的に紹介動画を作るサービスなどを開発する場合に利用できます。
もう一つが、公開されているH3-Baseのモデルウェイトを自分の環境で動かす方法です。
モデルウェイトとは、簡単にいえばAIが学習した内容を保存している「AIの中身」に近いデータです。自分で用意したパソコンやサーバーにモデルを配置すれば、ローカル環境で動かすこともできます。
公式では、次のような利用方法が案内されています。
- SGLang
- vLLM
- Diffusers
- ComfyUI
この中でComfyUIは、AIの処理を画面上のブロックとしてつなぎながら生成手順を組み立てられるツールです。
ただし、「モデルウェイトが公開されている」ことと「MiniMax H3のすべての機能を完全にローカルで再現できる」ことは同じではありません。
2026年8月14日時点で公開されているのはH3-Baseが中心で、H3-Context-IRとH3-Regenerate-2Kは公開ウェイトに含まれていません。
そのため、公式サービスで利用できるH3の2K生成ワークフロー全体を、そのまま完全ローカルで再現できる状態ではありません。
初心者の方は、まずHailuo AIで実際の動画生成を試し、より高度な使い方が必要になったらAPIやローカル環境を検討するとよいでしょう。
APIは768Pが0.08ドル/秒、2Kが0.13ドル/秒で完全無料ではない
MiniMax H3の公式APIは、利用した量に応じて料金が決まる従量課金方式です。
2026年8月14日時点では、768Pが1秒あたり0.08ドル、2Kが1秒あたり0.13ドルです。
実際の動画1本あたりで計算すると、次のようになります。
- 768P・5秒:0.40ドル
- 768P・10秒:0.80ドル
- 768P・15秒:1.20ドル
- 2K・5秒:0.65ドル
- 2K・10秒:1.30ドル
- 2K・15秒:1.95ドル
たとえば2Kで10秒の動画を作る場合、動画出力部分は1.30ドルです。768Pで10秒なら0.80ドルになります。
また、768Pで生成した動画をH3-Regenerationを使って2Kへ再生成する場合は、1秒あたり0.05ドルです。10秒の動画なら、再生成部分は0.50ドルとなります。
画像・動画・音声を参考素材として使う場合は、動画出力以外にも料金が発生することがあります。
参照素材に関する料金は、次のとおりです。
- 音声入力:無料
- 画像入力:最初の5枚まで無料
- 6枚目以降の画像入力:1枚あたり0.04ドル
- 参照動画・2K出力:1秒あたり0.13ドル
- 参照動画・768P出力:1秒あたり0.08ドル
そのため、参考動画を多く利用するときは、完成する動画の秒数だけで料金を計算しないよう注意しましょう。
では、MiniMax H3は無料なのでしょうか。ここは「公開ウェイト」と「API」を分けて考える必要があります。
H3-Baseのモデルウェイト自体は公開されていますが、自分で動かすにはGPUなどの計算環境が必要です。そのため、モデルを入手できることと、実際の利用コストが完全にゼロになることは同じではありません。
公式APIにも従量課金が設定されているので、MiniMax H3を単純に「完全無料の動画生成AI」と考えるのは適切ではありません。
また、公開ウェイトには独自のMiniMax H3 Community License Agreementが適用されています。
ライセンスについては、主に次の点に注意が必要です。
- EU、英国、韓国、米国は標準ライセンスの対象地域から除外されている
- 対象地域では別途正式なライセンスを申請する仕組みが用意されている
- 年間売上高が2,000万米ドルを超える商用製品・サービスでは、事前にMiniMaxから書面による承認を受ける条件がある
商用利用を考えている場合は、「公開されているから自由に何でも使える」と考えず、利用条件を確認することが大切です。
初心者の方は、「APIは使った秒数に応じて有料、公開ウェイトは入手できても自分で動かす環境が必要」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
MiniMax H3のよくある質問と答え
まとめ|MiniMax H3は動画・音声・参照素材をまとめて扱える次世代生成AI
MiniMax H3は、文章から動画を作るだけでなく、画像・動画・音声をまとめて参照しながら、映像と音声を同時生成できる動画生成AIです。
公式APIでは最大2K、15秒、24fpsの動画生成に対応し、日本語も安定対応する会話言語の一つとして案内されています。
特にMiniMax H3らしいのが、参考画像だけでなく、動画の動きやカメラワーク、音声なども動画生成へ活用できることです。
「この人物を使いたい」「この参考動画のように動かしたい」「この音声の雰囲気を生かしたい」といった複数の希望を、一つの動画制作の指示としてまとめられます。
そのため、文章だけでゼロから動画を作る用途だけでなく、自分が持っている素材を生かして完成イメージへ近づけたい場合にも便利です。
一方で、公開ウェイトがあるからといって、MiniMax H3のすべてを無料かつ完全にローカルで利用できるわけではありません。
公式APIは従量課金で、H3-Context-IRやH3-Regenerate-2Kなど公開ウェイトに含まれていない部分もあります。公開ウェイトには独自のライセンス条件も設定されているため、特に商用利用では確認が必要です。
まずMiniMax H3を試してみたい初心者の方は、Webアプリから動画生成の感覚をつかみ、必要になった段階でAPIやローカル利用を検討すると理解しやすいでしょう。
MiniMax H3は、「文章から動画を作るAI」から一歩進み、画像・動画・音声といった複数の素材をまとめて使える動画制作AIとして注目したいモデルです。
