
AIを活用して動画をつくるのが当たり前になりつつある今、「この動画、YouTubeで収益化できるのかな?」と不安に感じたことはありませんか?
実は、YouTubeは2025年7月15日から収益化に関するポリシーを大幅に見直すと発表しており、特にAIで作られた動画に対してより厳格な審査基準を導入する方針を明らかにしています。
AIナレーションやテンプレート動画が急増する中、YouTubeは「誰が、どのように、どんな思いで動画を作ったのか」といった“人間の関与”や“表現の質”をこれまで以上に重視するようになります。
とはいえ、AIを使ったからといってすべてがNGになるわけではありません。正しい工夫と理解があれば、AI動画でも収益化は十分可能です。
この記事では、最新の収益化ルールを踏まえながら、
- AI動画が収益化できる条件とは?
- 再利用コンテンツと見なされるリスクとは?
- 実際に審査に通ったAI活用動画の特徴は?
などを初心者にもわかりやすく解説します。
✅ この記事でわかること
- 2025年7月から始まるYouTubeの新しい収益化ルールの概要
- AIで作成した動画は本当に収益化できるのか
- 「再利用コンテンツ」と判断される動画の特徴と回避法
- 収益化審査に通るAI動画に共通するポイント
- 合成音声やテンプレート動画はどこまでOK?
- 切り抜き・リアクション動画の扱いと注意点
- AIツール活用で失敗しないための著作権対策
- AI×人間の「共創型動画」で成功するコツと今後の展望
AI動画とYouTube収益化の現状
手軽にAIで動画を作れる時代。だからこそ、「収益化できるのかどうか」が重要なテーマになっています。
ここでは、YouTubeがAI動画をどう見ているのか、最新の状況を整理しておきましょう。
AIツールの進化で“誰でも動画制作者”の時代に
今では、テキストを入力するだけでナレーション付きの解説動画やアニメが自動で作れるツールが多数登場しています。
これにより、動画制作のハードルは劇的に下がり、個人でも大量のコンテンツを投稿できるようになりました。
一方で、似たようなテンプレート動画やナレーション付きスライドが急増し、YouTube全体の“質”への懸念も広がっています。
増えすぎたAI動画に、YouTubeは“収益化の壁”を設け始めた
近年、YouTubeでは「再利用コンテンツ」や「独自性のない動画」に対する審査基準が厳しくなっています。
特にAIで自動生成された以下のような動画は、収益化の審査で落とされやすい傾向があります:
- 合成音声でナレーションを読み上げるだけのスライド動画
- 他人の発言や記事を要約しただけのナレーション動画
- テンプレ通りに作られたスライド+BGMのみの構成
- 同じテーマで中身がほぼ変わらない“量産型”動画
表面的にはきれいでも、「新しさ」「深さ」「視聴者への価値」が感じられない動画は、YouTubeから“オリジナルとは見なされない”という判断を受けてしまうのです。
収益化の鍵は「人の関与」と「自分らしさ」
とはいえ、AIを使ったからといってすべての動画がNGになるわけではありません。
編集の工夫や台本の作成、視点の独自性など、“人間の関与”が見えるポイントがしっかりある動画であれば、審査に通った例も多数報告されています。
つまり、重要なのは「AIを使ったかどうか」ではなく、
“AIだけで作った”のか、“AIを活かして人が作った”のかという点なのです。
このように、収益化の可否を分けるのは内容の独自性や工夫の深さにあります。
次のセクションでは、YouTubeが定める「収益化ポリシー」の基準について、もう少し具体的に見ていきましょう。
YouTubeの収益化ポリシーとは?
AI動画を投稿する上で、必ず押さえておきたいのが「収益化ポリシー」の内容です。
ここでは、YouTubeが動画にどんな基準を求めているのか、その本質に迫ってみましょう。
収益化の前提は「YouTubeパートナープログラム(YPP)」
YouTubeで収益を得るには、YouTubeパートナープログラム(YPP)への参加が必要です。
このプログラムに申し込むためには、以下のような要件を満たす必要があります:
- チャンネル登録者数1,000人以上
- 公開動画の総再生時間が過去12カ月で4,000時間以上(またはショート動画の視聴回数1,000万回以上)
- 収益化ポリシーの遵守
とくに注意すべきなのが、「視聴者にとって価値があるコンテンツ」であることという基準です。
単なる情報の寄せ集めはNG
YouTubeでは、「他人の動画をつなげただけ」「フリー素材にAI音声を載せただけ」といった“再利用コンテンツ”を、収益化対象外としています。
このポリシーは、AI動画にとって非常に重要です。なぜなら、AIを使えば見た目の整った動画がすぐに作れる一方で、内容の深さや独自性が乏しくなりがちだからです。
つまり、いくら映像やナレーションが自然でも、
「誰がどんな意図でこの動画を作ったのか」が感じられない動画は、審査に通りにくくなるということです。
AI動画でも、人の手と工夫が見える内容ならOK
一方で、AIを使いつつも、自分で台本を作成したり、独自の視点で解説したりする動画は、収益化に成功している事例も多く存在します。
YouTubeは、動画が人の手によって丁寧に作られ、視聴者に価値を提供していると判断すれば、AI使用の有無にかかわらず評価してくれるのです。
重要なのは、「自動生成されたかどうか」ではなく、その動画に“制作者の存在感”があるかどうかなのです。
再利用コンテンツとは何か?AI動画での注意点
YouTube収益化の大きな壁となるのが「再利用コンテンツ」の判断です。
このルールを正しく理解しないままAI動画を投稿すると、知らず知らずのうちに審査落ちしてしまうリスクがあります。
ここでは、どんな動画が「再利用」と見なされやすいのか、具体的に見ていきましょう。
「再利用コンテンツ」はどんな動画を指す?
YouTubeにおける「再利用コンテンツ」とは、他人が作ったコンテンツをそのまま使ったり、軽く編集しただけの動画を指します。
AIで作成した動画も、独自性がなければこのカテゴリに分類されてしまいます。
たとえば、以下のような動画は特に注意が必要です:
- フリー素材の映像に合成音声を重ねただけのスライド動画
- 他の動画の要約・文字起こしを読み上げたもの
- 同じ構成で内容がほとんど変わらないAIテンプレ動画
- 他人の発言を切り抜いた動画(ナレーションや解説なし)
これらは「誰でも簡単に作れる動画」と見なされやすく、審査では高確率で落とされます。
差がつくのは“視点の独自性”と“人の工夫”
同じテーマの動画でも、「自分の視点や経験」「解説に込めた意図」が反映されていれば、収益化の可能性は十分にあります。
たとえば:
- 自作の台本に基づいたナレーション
- 編集でテンポやストーリー性を工夫した構成
- 他の動画にはない視点(実体験・専門知識)を盛り込む
こうした要素が加わっていれば、AIを使っていても再利用扱いにはなりにくく、オリジナル作品として認められる可能性が高まります。
自動生成だけに頼らず、“人の声”を入れる意識を
特に最近では、AI音声だけの動画が増えており、「量産型」と判断されやすい傾向にあります。
たとえ合成音声を使っていても、台本の内容や編集の工夫に個性があればOK。
ただし、より安心を求めるなら「自分の声」や自然なナレーションを加えることで、審査での信頼感が格段にアップします。
このように、再利用コンテンツの線引きはあいまいに見えて、実はしっかり基準があります。
AI生成コンテンツの審査基準
「AIで動画を作っても、審査に通る人と落ちる人がいるのはなぜ?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、YouTubeが実際にどんなポイントを見ているのか、審査基準の傾向と注意点を具体的にご紹介します。
審査のカギは「人間の関与」が見えるかどうか
YouTubeがAI動画の収益化を判断する際、最も重視しているのは「人間がどれだけ動画に関与しているか」という点です。
単にAIが自動で生成したコンテンツは、たとえ見た目が整っていても「価値が薄い」と見なされる傾向があります。
一方で、人の手がしっかり加えられた動画──つまり、ナレーション・構成・編集などに明確な工夫がある動画は、収益化の審査でも評価されやすいのです。
少しの工夫では差別化にならない時代に
近年は、AIで作られた「似たような動画」が大量に投稿されており、審査する側も内容の“浅さ”を敏感に見抜くようになっています。
たとえば以下のような動画では、わずかな違いしかなく、オリジナル性を主張するのが難しくなっています:
- テンプレ通りの構成に若干異なるBGMをつけただけ
- 同じフォーマットで毎回異なるニュースを紹介するだけ
- ナレーションに変化がなく、全体に一貫性がない
こうした“量産感”のある動画は、独自性がない=再利用コンテンツと見なされ、収益化の壁に直面します。
独自性を示すには「視点」と「構成」が重要
では、どうすれば審査に通るAI動画になるのでしょうか?
大切なのは、以下のような“人の意図”や“表現の工夫”が動画内に感じられるかどうかです:
- 自分の考えや意見を盛り込んだ解説やナレーション
- 編集でストーリー性やテンポを意識した構成
- テロップやグラフィックの選定に制作者のセンスが見える演出
このように、AIを使うこと自体は問題ではなく、どれだけ人の工夫と表現が加わっているかが、審査突破のカギになるのです。
オリジナリティが求められる理由
「AIを使って効率よく動画を作っているのに、なぜ独自性まで求められるの?」
そう感じる方もいるかもしれません。
ここでは、YouTubeがオリジナリティを重視する背景にある本当の理由を見ていきましょう。
YouTubeが守りたいのは“視聴者の信頼と体験価値”
YouTubeにとって最も大切なのは、「視聴者が信頼できる情報と良質な体験を得られること」です。
しかし、AI動画の中には、以下のようなリスクをはらむものも少なくありません:
- 表面的な内容で、中身が薄いまま投稿された動画
- フェイクニュースや誤情報を含む自動生成コンテンツ
- 似た構成・語り口の動画が大量にアップされることでの“飽和感”
こうした動画が増えると、視聴者がYouTube全体に対して不信感を抱く可能性が高まります。
その結果、広告主も「広告を出しても効果がないのでは?」と出稿を控える恐れがあり、YouTubeというプラットフォームそのものの価値が下がってしまうのです。
AIを使っても「誰が、なぜ、それを伝えたのか」が重要に
だからこそ、YouTubeは「AIで作ったかどうか」よりも、動画に“制作者の意思”や“視点”が込められているかを重視しています。
情報を伝えるだけではなく、
- どんな想いでこのテーマを選び、
- どんな視点で構成し、
- 視聴者に何を伝えたいのか
といった“人間らしさ”が伝わる動画こそが、これからのYouTubeで評価されるコンテンツとなっていきます。
「動画に魂があるかどうか」が問われる時代へ
結局のところ、どんなにAIが便利でも、それをどう活かすかは制作者次第。
「あなたにしか作れない動画かどうか」が、これからますます重視されるようになるのです。
機械任せのテンプレ動画ではなく、あなたの言葉・視点・ストーリーが込められた“作品”こそが、視聴者にも、そしてYouTubeにも支持されていくでしょう。
ナレーションの有無は重要?AI音声と人間の声の違い
AI音声がどんどん自然になってきた今、「わざわざ自分の声で録音する必要ってあるの?」と感じる方もいるかもしれません。
ここでは、ナレーションの有無や“声の種類”が、収益化審査にどう影響するのかを詳しく見ていきましょう。
合成音声でもOK。でも“自然さ”と“独自性”がカギ
まず結論から言うと、AI音声を使ったからといって即NGになるわけではありません。
YouTubeでも、合成音声によるナレーション動画で収益化に成功している例は多数あります。
ただし、それらの動画には以下のような特徴があります:
- 台本にオリジナリティがある
- 内容にストーリー性があり、視聴者の関心を引く構成になっている
- テロップ・映像・音声が連動していて視聴体験がスムーズ
つまり、AI音声を使っても“制作者の工夫”が感じられる動画であればOKということです。
なぜ人の声の方が有利とされるのか?
とはいえ、最近の審査傾向としては「人の声」の方が評価されやすい傾向にあるのも事実です。
その理由は、人の声には感情や抑揚、信頼感が自然に含まれており、視聴者の没入感を高めやすいからです。
一方で、AI音声は滑らかでも平坦になりやすく、動画の印象を“量産型”にしてしまうリスクがあります。
審査側も「またこのパターンか」と感じやすいため、差別化の面でやや不利になってしまうケースもあります。
AI音声を使うなら、台本と演出にこだわろう
もしAIナレーションを使う場合は、以下のような工夫を心がけましょう:
- 台本は自分で書き、自然な話し言葉を意識する
- 合成音声の読み上げに合わせて、映像やテロップもテンポよく配置
- BGMや効果音で“感情の抑揚”を補う演出を取り入れる
このように、音声が機械的であっても、全体として“人の手で作られた動画”に見えることが大切です。
編集の工夫と収益化の関係
「AIで素材がそろったし、あとはそのままアップロード!」
……ちょっと待ってください。編集の工夫こそ、収益化の合否を左右する大きなポイントなんです。
ここでは、編集がどれほど重要か、どんな工夫が評価につながるのかを解説していきます。
編集は“個性”を伝える最大のチャンス
YouTubeの審査では、「動画が誰によって、どんな意図で作られたか」が感じられることが非常に重要です。
そして、それを最もわかりやすく表現できるのが「編集」の部分です。
たとえば、以下のような編集は“独自性”として高く評価されます:
- 動画全体にストーリー性やテンポの工夫がある
- タイトルやサムネに引きがあり、内容とのつながりも明確
- テロップ・効果音・カットのリズムなどが洗練されている
- 冒頭で視聴者を引き込む工夫がされている(例:問いかけ、ユーモア、意外性)
逆に、素材をただつなげただけの編集や、一本調子の構成では、視聴者の関心を引くのが難しく、再利用と見なされやすくなります。
「視聴者に伝える姿勢」が動画の質を決める
編集の役割は単なる切り貼りではありません。
映像や音声に意味を与え、視聴者に「伝わる動画」に仕上げるための、大切な表現手段です。
特にAI動画の場合、構成や演出にこそ“作り手の意図”が求められるため、編集の工夫がそのまま収益化の評価に直結します。
時短ツールよりも“ひと工夫”が評価される
便利なAIツールを使うことで作業時間を短縮できるのは確かです。
でも、だからこそ「+αのひと工夫」が他の動画と差をつける武器になります。
- オープニングで視聴者の心をつかむ
- テーマに合ったBGMや視覚効果を取り入れる
- ナレーションと映像がしっかり連動している
こうした細部へのこだわりが、「この動画には制作者のセンスがある」と評価され、収益化につながっていくのです。
ポリシー違反で収益化できなかったNG事例
「何がいけなかったのか分からないまま審査に落ちた……」
そんな声は少なくありません。
ここでは、実際に収益化が拒否されやすいAI動画の特徴を紹介しながら、避けるべきポイントを整理していきます。
一見まともでも“再利用扱い”される落とし穴
YouTubeの審査では、パッと見では問題なさそうな動画でも、細かい部分でNG判定を受けることがあります。
以下は、AI動画で収益化に失敗するケースとしてよく見られるパターンです:
- 無編集の合成音声+フリー素材動画のみ
→ 構成に工夫がなく、個性も伝わらない - 他人の発言やニュースを文字起こしし読み上げただけの動画
→ 情報の引用のみで、制作者の意図が感じられない - 毎回同じテンプレ構成のスライド+AI音声
→ 独自性がないため、「量産型」と判断されやすい - 中身が薄く、滞在時間が短い動画
→ 視聴者の関心が続かず、「価値が低い」と見なされる
これらはすべて、再利用コンテンツ・低品質コンテンツとして収益化NGになる可能性が高い動画の典型例です。
「なぜ審査に落ちたのか」が明確な理由として残らない
YouTubeは審査に落ちた際、細かい理由を明記してくれるわけではありません。
そのため、自分で原因を推測し、対策するしかないのが現状です。
だからこそ、他の失敗例を参考にしながら、「自分の動画に同じパターンがないか?」をチェックすることが大切になります。
安全策=“人の意図”を動画の中でしっかり見せること
審査での落選を避けるためには、「ただの情報提供」ではなく、自分自身の視点や考察が感じられる工夫を取り入れることが有効です。
- 動画の冒頭で「この動画で何を伝えたいのか」を明確にする
- 単なる説明ではなく、自分の意見や提案を加える
- 1本ごとにテーマの深掘りや展開に違いを出す
こうした工夫があれば、「単なるAI任せの動画」ではなく、“人が作ったコンテンツ”としての説得力を持たせることができます。
収益化されたAI動画の事例紹介
AI動画は収益化が難しい…そんなイメージを持っていませんか?
実際には、工夫と独自性を加えることで収益化に成功しているチャンネルも数多く存在しています。
ここでは、審査を通過したAI動画の共通点をもとに、成功のヒントを探っていきましょう。
AIは「補助ツール」、主役はあくまで制作者
収益化に成功しているAI動画の多くは、AIをあくまで制作のサポートとして使い、全体の構成や伝えたい内容は人間が主導しているという特徴があります。
たとえば、以下のような工夫が共通して見られます:
- 自作の台本に基づいたAI音声ナレーション
- 視聴者の疑問や関心に応える構成
- 資料画像やグラフを自作して挿入
- コメント欄でのやりとりや、アンケート機能などで視聴者との関係構築も意識
- テーマやジャンルに一貫性があり、シリーズ化されている
つまり、「誰が作ったかわからないAI動画」ではなく、“この人だから見たい”と思わせる動画づくりが収益化の鍵になっています。
見えない工夫が動画の“信頼感”につながる
成功しているAI動画には、見えない部分でも手間がかかっています。
- フリー素材ではなく、自分で撮影・作成した画像や図解を使う
- ナレーションはAI音声でも、言葉選びに感情や共感が込められている
- 編集でテンポや演出を整え、視聴者が飽きずに見られるようにしている
こうした細かいポイントが重なることで、YouTube側にも「この動画には人間の意図がある」と伝わりやすくなり、収益化の承認を得られやすくなるのです。
AI+人間の“共創スタイル”が時代の主流に
現在のトレンドは、「AIで効率化しつつ、人間が創造性を担う」共創型のコンテンツです。
今後もこの方向性は強まり、完全自動ではなく“人の思考が反映された動画”に価値が置かれるようになると考えられます。
AIを活かしながら、自分らしい視点を組み込んでいくことが、これからのYouTube収益化における王道と言えるでしょう。
AIツールで動画を作る際の注意点
AI動画作成ツールはどんどん便利になり、誰でも簡単に動画を作れるようになりました。
でも、「便利さ」の裏側には、収益化でつまずく落とし穴も存在します。
ここでは、ツールを使う際に気をつけたいポイントをまとめました。
“誰でも作れる動画”になっていないか?
多くのAIツールは、テンプレートに文章を入力すれば、それだけで見た目の整った動画が完成します。
ですが、この“手軽さ”がかえって差別化を難しくする原因にもなっているのです。
たとえば以下のような動画は、収益化審査でマイナス評価を受けやすくなります:
- 定型のスライドデザインをそのまま使い回している
- 内容が浅く、同じような動画が既に大量に存在している
- ナレーションや構成が無難すぎて、制作者の存在感が薄い
便利なツールほど、「人の手による編集」や「オリジナル要素の追加」が重要になるというわけです。
使用素材の著作権リスクにも注意
AIツールで提供される画像・BGM・音声素材などには、商用利用の制限があるケースもあります。
YouTubeで収益化を目指すなら、使用する素材のライセンス確認は必須です。
とくに注意したいのは以下の点:
- フリー素材サイトから取得した画像や音楽の使用条件(商用OKか、クレジット表記は必要か)
- AI画像生成ツールで出力した素材の利用規約(特に商用利用の可否)
- 合成音声の使用条件(商用ライセンスを取得済みか)
- 他人の発言・ニュース・原稿などをもとにしていないか
著作権違反が発覚すると、動画の削除やチャンネルのペナルティ対象になることもあるため、慎重な確認が求められます。
チェックリストで“独自性”を再確認
AIツールで動画を作ったあと、次のようなポイントをチェックすると、収益化の安全性を高めることができます:
- 台本は自分で書いたものか
- 素材に無断使用のものが含まれていないか
- 構成にオリジナルの工夫があるか
- 編集やナレーションに“人の手”が加わっているか
AIはあくまで時短ツール。
コンテンツの中身や魅力をつくるのは、あくまで制作者自身であるという意識を忘れずに活用することが大切です。
著作権の観点から見たAI動画の注意点
AI動画を作るうえで、もう一つ見落としがちなのが「著作権」の問題です。
見た目にはオリジナルに見えても、素材の出どころによっては収益化どころか動画削除の対象にもなりかねません。
ここでは、AI動画で特に注意したい著作権トラブルのポイントを解説します。
AIが出力した素材でも「元の学習データ」が問題になることも
AIで生成した画像や音声の中には、著作権的にグレーなものが含まれる場合があります。
これは、AIが過去に学習したコンテンツの中に、他者の著作物が無断で含まれていた可能性があるためです。
特に以下のようなケースでは注意が必要です:
- AI画像生成ツールで作成したビジュアル素材を、そのままサムネイルや映像に使う
- 合成音声で既存のナレーションに似た発声がされている
- YouTube動画の内容を要約し、AIで再構成して投稿する
AIを使っているから安全、とは限らないのが現実です。
「本当にこの素材、商用で使っても大丈夫?」という視点を常に持つことが大切です。
「フリー素材」でも利用条件の確認は必須
フリー素材だから安心…と思っていませんか?
実は多くのフリー素材には、以下のような細かい使用条件が設定されています:
- 商用利用OKかどうか
- クレジット表記が必要かどうか
- 加工の範囲に制限があるかどうか
- YouTubeでの使用が認められているか
たとえば、「商用不可」や「クレジット必須」と書かれた音源を、知らずに動画内で使ってしまうと、収益化審査で落ちたり、著作権侵害の申告を受けるリスクも。
使いたい素材があるときは、必ず提供元の利用規約を読み、保存または記録しておくことをおすすめします。
著作権回避の基本は「自分で作る」意識
もっとも安全な方法は、可能な限り自作素材を使うことです。
台本、画像、ナレーション、構成など、自分自身で手をかけたコンテンツであれば、著作権的にも審査的にも安心です。
難しい場合でも、無料で商用OKの素材を提供している信頼できるサイトや、有料ライセンス付きの音源サービスを利用するなどして、“著作権リスクゼロ”を意識した動画づくりを心がけましょう。
今後のAI動画とYouTube収益化の可能性
AI技術は日々進化し、今後もさらに多くの人が動画制作に活用していくと考えられます。
では、YouTubeの収益化ルールはこれからどう変化していくのでしょうか?
ここでは、AI動画の未来と、収益化の方向性について展望していきます。
自動生成コンテンツから“共創型コンテンツ”の時代へ
GoogleやYouTubeの動きを見ると、AIに対して否定的ではない一方で、“AIまかせのコンテンツ”を評価しない方針が明確になってきています。
今後、評価される動画の条件として重視されていくのは:
- 制作者自身の視点や考察が含まれていること
- AIと人間が“補い合う形”で作られていること
- 視聴者にとって新しい発見や価値があること
つまり、AIはツールであり、主役はあくまでクリエイターという立ち位置がより明確になっていくのです。
YouTubeが求めているのは“人にしかできない表現”
これからの時代、単に情報を整理して伝えるだけでは足りません。
視聴者が求めているのは、
- 共感できる言葉
- 実体験をもとにしたリアルな意見
- 見る人の心に残るストーリーや気づき
といった、人にしか表現できない要素です。
そのため、YouTubeも「AIによる効率化」と「人間による創造性」のバランスを重視する方向へシフトしつつあります。
AIツールの進化に頼るだけでなく、自分の伝えたいことを“どう表現するか”が、これからの差別化ポイントになるでしょう。
AI動画の未来は「人間性×テクノロジー」の掛け算にあり
AIの活用がますます進む中で、YouTube収益化の審査も柔軟に変化していくと予想されます。
ただし、方向性としては一貫しており、
「人が込めた想いや工夫がある動画が評価される」
という原則は今後も変わらないと考えられます。
言い換えれば、「AIで誰でも作れる時代」だからこそ、“自分らしさ”が最も価値ある資産になる時代がすぐそこまで来ているのです。
よくある質問とこたえ(FAQ)
AI動画の収益化については、細かな疑問や不安もつきものです。
ここでは、多くの人が気にしているポイントをQ&A形式でまとめました。
このように、AIを使った動画でも、しっかりとした工夫や意図があれば、収益化の道は開けます。 不安な点があれば一つひとつクリアにして、丁寧な動画づくりを心がけていきましょう。
安全に収益化するための対策まとめ
ここまでの内容を踏まえて、AI動画で収益化を目指すうえで特に意識したいポイントをまとめました。
「どこまで工夫すれば通るのか」「失敗しないためには何が必要か」──
この5つのポイントをチェックしておけば、収益化審査の通過率をグッと高めることができます。
✅ 審査通過のために意識すべき5つのポイント
1. オリジナルの台本や構成を使う
- 自分の言葉で台本を書くことで、AI音声でも“人の意図”が伝わります
- コピー&ペーストではなく、話し言葉ベースの構成を意識しましょう
2. 編集で“人の手”が入っていることを見せる
- カット、テンポ、演出、テロップなど、自分なりの編集スタイルを加えることで差別化
- テンプレ動画との差が明確になります
3. ナレーションはできれば“人の声”を使う
- AI音声でも審査は通りますが、自然な声のほうが信頼感・滞在率ともにアップ
- 難しい場合でも、台本や演出で“人らしさ”を補いましょう
4. 使用する素材の著作権を必ず確認する
- フリー素材でも商用OKか、クレジット表記が必要かをしっかり確認
- AI生成画像・音声も、使用ライセンスが不明確な場合は避けるのが無難です
5. 視聴者との“関係性”を意識した動画作りをする
- コメント欄で質問を投げかけたり、感想を求めたりすることでエンゲージメントが向上
- 単なる情報提供ではなく、「人に届ける」という姿勢が伝わる動画が評価されやすくなります
YouTubeの収益化ポリシーは年々厳しくなっていますが、それは裏を返せば、
「丁寧に作られた動画」は今も高く評価されるということです。
AIを活用するからこそ、“作り手の工夫”や“想い”がより重要になります。
自分だけの視点やスタイルを活かしながら、安心して収益化を目指していきましょう。