食品のラベルや表示に「高温多湿を避けて常温で保存してください」という文言。ですが、具体的に何度以上、何%以上の湿度を「高温多湿」なのでしょうか? 詳細が明示されていない場合がほとんどです。そこで、この記事では、高温多湿・常温保存に適した条件を調査しましたので、参考にしてください。
高温多湿とは?温度と湿度の基準をわかりやすく解説
「高温」とは気温が特に高い状態を指し、一般的に夏季に見られる気候です。一方、「多湿」とは空気中の水蒸気量が多い、湿度が高い状態を意味します。相対湿度とは、現在の水蒸気量が空気が保持可能な最大水蒸気量の割合を表しています。具体的には、気温が25度以上で湿度が70%以上の環境を「高温多湿」と呼びます。このような状況下では、じめじめとした不快感が伴い、体感温度も高くなります。
常温保存とは?温度と環境条件の基準を知ろう
常温とは、基本的に一定の温度を指します。具体的には直射日光の当たらない涼しい場所や環境を示しています。
食品保存における常温の基準:温度と湿度の適正値
使用される分野によって常温の基準は異なります。例えば、食品の保管では15℃から25℃の範囲を常温としています。そしてこの温度での保管が推奨されます。食品の場合、パンや乾麺、缶詰などはこの温度範囲で保存が可能です。野菜や卵、加工品、生肉などは高温を避ける必要があります。
常温の定義とその適用
日本工業規格(JIS)の基準
常温は5℃から35℃の範囲、湿度は45%から85%の間を常湿と定義しています。
厚生労働省の基準
夏場の室内の適切な温度は25℃から30℃、冬は15℃から20℃が推奨されています。これらの温度を基に食品の賞味期限や消費期限が決定されています。通常、食品の保存試験は24℃で行われています。なので、この温度を超えると食品の品質が損なわれる可能性が高まります。
高湿度とはどのくらい?食品保存に影響する湿度の目安
高温多湿の湿度が60%以上とされるのは、この水分量が多くの食品メーカーが目安としているためです。湿度は、気温だけでなく、食品の品質にも大きく影響します。
例えば、気温が24℃であっても湿度が70%を超えると、食品の保存には適していません。
食品の保存を最適化するには?高温多湿を避けるための具体策
高温多湿を避ける最適な場所は、風通しの良い涼しい環境です。可能であれば、除湿機や除湿剤を使用し、湿度を適切に管理することが重要です。また、冷蔵庫での保存は、開封後の食品や短期間の保存に適していますが、一部の食品では冷蔵が推奨されないこともありますので、ラベルの指示に従ってください。
まとめ
「高温多湿を避けて常温で保存してください」という指示は、食品の品質を守るための重要なガイドラインです。15℃から25℃の温度範囲を常温とし、湿度60%以上を高湿とすることで、食品を安全に保管することができます。これらの知識を活用して、食品の保存方法を最適化しましょう。特に日本の夏の高温多湿な環境下では、適切な保存方法が食品安全には不可欠です。