Windows 11を利用していると、「最新版です」と表示される一方で、「重要なセキュリティ更新が適用されていません」という通知が現れることがあります。このメッセージは一見矛盾しているように感じられますが、デバイスの管理において重要なポイントです。本記事では、この通知に対応するための具体的な方法を解説します。
この記事を読むことで、以下のポイントを理解できます
- Windows 11で「最新版です」と「セキュリティ更新不足」の通知が同時に表示される理由
- 通知の問題を解消するための具体的な手順
- Windows Updateのトラブルシューティング方法
- 最新バージョンへのアップデートが重要な理由
よくある状況と基本的な対処法
「最新版です」と「セキュリティ更新不足」の通知が同時に表示される場合
このような通知が表示された場合でも、全部の更新が完了しているわけではありません。以下の手順を参考に、問題を解決しましょう。
1. システムバージョンを確認する
まず、現在使用しているWindows 11のバージョンを確認してください。特に古いバージョン(例: 21H2や22H2)を使用している場合、新しいセキュリティ更新が提供されないことがあります。そのため、最新バージョン(例: 24H2)へのアップグレードが推奨されます。
2. デバイスの電源管理と待機時間を見直す
セキュリティ更新を適用するには、デバイスを長時間稼働させる必要がある場合があります。更新がすぐに反映されない場合は、デバイスを電源に接続し、8時間以上稼働状態を維持してください。
3. 手動で更新プログラムを確認する
Windows Updateの「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックして、最新の更新があるか手動で確認しましょう。この操作により、見逃されていた更新が反映されることがあります。
4. トラブルシューティングツールを使用する
上記の方法で解決しない場合は、Windows Updateのトラブルシューティングツールを試してください。このツールを使用することで、一般的な更新の問題が修正される可能性があります。
5. Windows Updateサービスの再起動
更新が進まない場合、Windows Updateサービスを再起動し、ソフトウェアディストリビューションフォルダの名前を変更することで問題を解決できる場合があります。以下の手順で実行してください。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く。
- 次のコマンドを入力して実行する:
net stop wuauserv
net stop bits
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
net start wuauserv
net start bits
6. システムファイルの修復
システムファイルが破損していると、更新が正しく適用されないことがあります。以下のコマンドを使用してシステムファイルを修復してください。詳しい作業手順は、最後に解説しますので、そちらをご参照ください。
sfc /scannow
7. 最新バージョンへのアップデート
すべての対処法を試しても問題が解決しない場合は、Windows 11の公式サイトから最新バージョンをダウンロードし、手動でアップデートを実行しましょう。更新の前にはデータのバックアップを必ず行ってください。
サポート終了予定とアップグレードの重要性
特定のWindows 11バージョン(例: 21H2や22H2)は既にサポートが終了している、または間もなく終了予定です。セキュリティリスクを回避するため、これらのバージョンを利用している場合は、できるだけ早く最新バージョンへのアップグレードを行いましょう。
コマンドプロンプトを開く方法(初心者向け)
コマンドプロンプト(Command Prompt)は、Windowsでシステム操作やトラブルシューティングを行うためのツールです。以下のいずれかの方法で簡単に開くことができます。
スタートメニューから開く
- 画面左下のスタートボタンをクリック
(またはキーボードのWindowsキーを押します)。 - 「検索バー」に「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力。
検索結果に「コマンドプロンプト」が表示されます。 - 「コマンドプロンプト」をクリックして起動します。
管理者権限が必要な場合は、右クリックして「管理者として実行」を選びます。
ショートカットキーを使う
- キーボードで「Windowsキー + R」を押す。
これで「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが開きます。 - 「cmd」と入力して「Enter」を押す。
コマンドプロンプトが起動します。
Windowsの設定メニューから開く
- スタートボタンを右クリック。
または、キーボードで「Windowsキー + X」を押します。 - 表示されたメニューから**「コマンドプロンプト」または「ターミナル(コマンドプロンプト)」を選択**します。
※新しいWindowsバージョンでは「Windowsターミナル」と表示される場合がありますが、同じ操作が可能です。
補足: 管理者権限で実行する必要がある場合
「管理者として実行」が必要な場合は、コマンドプロンプトを右クリックし、「管理者として実行」を選択してください。すると「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」という確認画面が表示されるので、「はい」をクリックします。
システムファイル修復の手順
- コマンドプロンプトを管理者権限で開く
- スタートメニューを開く(画面左下のWindowsアイコンをクリック)。
- 「検索バー」にcmdまたは「コマンドプロンプト」と入力。
- 検索結果に表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして、「管理者として実行」を選択。
- 確認画面が表示されたら「はい」をクリック。
- コマンドを入力
開いたコマンドプロンプトのウィンドウに以下のコマンドを入力します。
sfc /scannow - Enterキーを押して実行
修復が開始されます。このプロセスには数分から10分程度かかる場合があります。 - 結果を確認
修復が完了すると、以下のいずれかのメッセージが表示されます:- 「Windowsリソース保護は破損したファイルを検出し、それを修復しました。」(修復成功)
- 「Windowsリソース保護は破損したファイルを検出しましたが、一部を修復できませんでした。」(追加の対処が必要)
- 「Windowsリソース保護により整合性違反が検出されませんでした。」(問題なし)
注意点
- 必ず管理者権限でコマンドプロンプトを開いて実行してください。
- 修復が完了するまでコマンドプロンプトを閉じないようにしましょう。
これでシステムファイルの修復が完了します!
まとめ
Windows 11で「最新版です」と「セキュリティ更新が不足しています」という通知が表示される状況は、一見矛盾しているように思えますが、適切に対処することで問題を解決できます。まずはシステムバージョンや電源管理を確認し、手動更新やトラブルシューティングツールを活用してください。それでも解決しない場合は、Windows Updateサービスの再起動やシステムファイルの修復を試し、必要に応じて最新バージョンへのアップグレードを行いましょう。
特に古いバージョンを利用している場合、サポート終了に伴うセキュリティリスクが増大します。安心してデバイスを利用するためにも、この記事で紹介した方法を活用し、常に最新の状態を維持することをおすすめします。